だれも教えてくれない「しびれ」の原因と分類|理学療法士が教える

誰も教えてくれないしびれの原因と分類 画像
困っている人

最近になって足がしびれてきて病院では原因不明と言われました。
何が原因でしょうか?

病院を受診しても、「しびれの原因は不明」と言われて困っている方にオススメの記事です

ハル

しびれを伴った患者さんを多く担当させて頂きました。
しびれの原因は様々ありますので1つずつみていきましょう。

この記事は約3分で読むことが出来て、しびれの原因や分類について知ることが出来ます。

しびれや痛みが出た時にどこに行けば良いか分からない」という方は↓↓

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目次

原因不明と言われる「しびれ」の原因

しびれが起こる原因として、大まかに分けると

脳・脊髄・末梢神経などの神経系によるもの

筋肉によるもの

血流障害によるもの

主にこの3つが原因として挙げられると思います。

しびれが出たら何科を受診すべきか?

しびれが出たらまずはじめに受診すべきは神経内科が良いかと思います。

脳や脊髄由来のしびれが原因であれば一刻を争うことになる可能性があるからです。

神経内科を受診して、脳や脊髄に異常がない場合は次に受診すべき所は整形外科で良いと考えます。

今回は主に整形外科で対象となるものを説明していきたいと思います。

しびれの原因が分かる簡単な分類

どのように「しびれ」を感じるかで分類

整形外科を受診した患者さんでしびれの訴えをされる方が多くいらっしゃいます。

簡単にではありますが、「患者さんの訴えによって」下記のように2つに分類しています。

①臀部や足に「ジンジン」「ビリビリ」としびれを感じる方

脳、脊髄、末梢神経を始めとする神経系が原因と思われるしびれの感じ方

②臀部や足に「じわー」としたしびれを感じる方

筋・筋膜が原因と思われるしびれの感じ方

感覚低下や筋力低下があるかで分類

①足にしびれがあり「足の感が低下している」、「足の筋力も低下しており左右差がある」という方

腰椎椎間板ヘルニアなど脊髄、脊髄神経根が原因と思われるもの

②「ジンジン」としたしびれはあるが「足の筋力低下」はない方

坐骨神経など末梢神経が原因と思われるもの

※坐骨神経でも筋力低下が起こることもあります。

③「じわー」としたしびれはあるが「足の筋力低下」はない方

筋筋膜が原因と思われるもの

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部位別・病気別で「しびれの原因」を分類

脳から起こる「しびれ」※神経内科が対象

脳血管障害(脳梗塞、脳出血)

脳血管障害は急激に発症し片側性のしびれが多いとされています。

MRIやCTで鑑別診断が可能。

脊髄、脊髄神経根から起こる「しびれ」

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの場合、神経が圧迫されている場所によって感覚鈍麻やしびれが出現する場所が決まっています。

・L4神経根⇒下腿の内側

・L5神経根⇒すねの外側~親指

・S1神経根⇒すねの外側~小指側

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腰椎椎間板ヘルニアではMRIなどの画像検査に加え、筋力テスト、感覚テスト、反射(打腱器で腱を叩くテスト)をみて総合的に判断が必要です。

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腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症の代表的な症状として間欠性跛行があります。

間欠性跛行とは一定距離を歩くと下肢に痛みやしびれが出現し歩行が困難となる状態です。

しばらく休むと再び歩くことが出来ますが、再度下肢に痛みやしびれが出現してきます。

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頚椎症性脊髄症

頸椎症性脊髄症は、加齢などにより椎間板の変形が進み、骨がとげ状になることや靭帯が厚くなることで脊髄が圧迫され手足のしびれがみられます。

またこの病気では手の巧緻性(手の細かい動作:ボタンをかける、箸をもつ)が低下していきます。

末梢神経から起こる「しびれ」

坐骨神経

お尻から太ももの裏側にかけてのしびれが出現します。

大腿神経

ふとももの前側にしびれが出現します。

腓骨神経

下腿の外側から足の甲にかけてのしびれが出現します。

足の筋肉が原因で起こるの「しびれ」

筋・筋膜

筋膜の影響でしびれが出現し、リハビリで取れます。

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血流が原因で起こる「しびれ」

閉塞性動脈硬化症(ASO)

足の血管の動脈硬化により血管が狭くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)する病気です。

血液の流れが悪くなり足先への栄養や酸素が十分に届けられず様々な障害が現れます。

腰部脊柱管狭窄症と同様に間欠性跛行がみられますが、いくつかの違いがあります。

①腰部脊柱管狭窄症では前かがみになると症状が軽減しますが、閉塞性動脈硬化症では前かがみになっても足の痛みやしびれは軽減しません。

②腰部脊柱管狭窄症ではまっすぐ立っていると痛みが出現しますが、閉塞性動脈硬化症ではまっすぐ立っても痛みやしびれが出現することはないです。

③腰部脊柱管狭窄症では足の脈拍を触れることが出来ますが、閉塞性動脈硬化症では閉塞部よりも先の動脈の触知が減弱していることがあります。

※閉塞性動脈硬化症は足関節上腕血圧比検査(ABI検査)という検査で行うことが出来ます。

その他病気で起こる「しびれ」

糖尿病

糖尿病では、毛細血管がダメージを受けて酸素や栄養が運ばれなくなると末梢神経が障害を受けるため手足のしびれが起こります。

まとめ

様々な方法で「しびれ」を分類し紹介してきましたが、これ以外にも他の病気でしびれが出現します。

リハビリ(理学療法)をすることで改善するしびれものもありますが、病気によっては全く違う専門的な治療が必要となる場合があります。

「あれ?このしびれは何かおかしいな?」と感じた際には整形外科だけでなく症状に合わせて神経内科や糖尿病内科など他の科を受診することも大切になります。

ハル

最後まで読んで頂きありがとうございました

参考文献

久野木 順一:腰痛疾患の臨床徴候と診断手技局所ー病態,臨床徴候,画像所見との関連を中心にー

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