理学療法士のハルです。
今回は、臀部の痛みの原因の1つである「仙結節靭帯(せんけっせつじんたい)とハムストリングス」について説明します。
この記事は4人の患者さんのために書きました
※記事を読む前に※
青い棒状の所あたりに痛みがある方は仙結節靭帯痛の可能性があります。
赤丸のところであればハムストリングス起始部(きしぶ)の痛みである可能性があります。
「仙結節靭帯痛とハムストリングス痛の治し方(ストレッチ編)を知りたい」という方は↓↓
「他の臀部痛の原因を知りたい」という方は↓↓
仙結節靭帯とハムストリングスの説明
仙結節靭帯とハムストリングスはつながっています。
この2つの解剖と役割を一緒にみていきましょう。
仙結節靭帯の解剖
仙結節靭帯は、仙骨と呼ばれる骨と坐骨にある坐骨結節と呼ばれる場所を結ぶ靭帯になります。
この2つを結ぶので仙結節靭帯(せんけっせつじんたい)となります。
下の写真では赤く示してある所が仙結節靭帯となります。
仙結節靭帯の役割
仙結節靭帯は仙腸関節の動きを制限する役割があります。
どのような動きかというと仙骨のうなずき(ニューテーション)を制限します。
この「うなずき」というのは下の図の青矢印の方向へ行くことをいいます。
仙結節靭帯はそのうなずきの動きを制限するわけです。(赤矢印)
ハムストリングスの解剖
ハムストリングスは、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3つを合わせてハムストリングスと呼びます。
そして、ハムストリングスは仙結節靭帯とつながっています。
ハムストリングスの役割
ハムストリングスは膝を曲げる時に使用する筋肉になります。
仙結節靭帯痛とハムストリングス起始部痛 痛みの原因
仙結節靭帯痛の原因
仙結節靭帯の痛みの原因としては、一番初めに考えられることは長時間の座位姿勢です。
長時間の座位によって仙結節靭帯に負荷がかかり痛みが出ていると考えられます。
仙結節靭帯を痛がる方は座っている事が多い職業の方がなりやすい印象を受けます。
ハムストリングス起始部痛の原因
ハムストリングスの痛みについては、海外の論文で
近位ハムストリングス腱障害という形で良く報告されています。
痛みの原因としては、
しゃがみこみ動作、かがみ動作、走行、長時間の座位
と報告されています。
仙結節靭帯もハムストリングスの痛みも長時間の座位姿勢や足に力を入れてしまいお尻を痛めてしまう方が多い印象です。
仙結節靭帯痛とハムストリングス起始部痛の診断
仙結節靭帯、近位ハムストリングスの圧痛確認
まずは圧痛が重要になるかと思います。
仙結節靭帯、ハムストリングス腱の圧痛で確認することが可能と思われます。
SLRテストによる伸張痛の確認
次にハムストリングスを伸ばして検査をするのが一般的です。
上の図のように足を上に持ち上げることでハムストリングスは伸ばされます。
このようにハムストリングスを伸ばすことで仙結節靭帯に痛みが出現しないかを確認する必要があります。
ハムストリングスに力が入った時の痛みを確認
膝を曲げることでハムストリングスは力が入ります。
膝を曲げた時にお尻の痛みが出現するかどうか?をみていきます。
また、階段などで足に力が入った際にお尻に痛みが出現しないかをみていくとよいかと思います。
私の経験上でも階段を上る際に仙結節靭帯の痛みが出現する方がいらっしゃいました。
長時間の座位での痛みの確認
仙結節靭帯の痛みもハムストリングス起始部の痛みも長時間の座位で痛みが出現することが多いです。
問診にて確認していく必要があると思われます。
MRI画像、超音波画像による確認
MRIも超音波での画像診断も腱の異常を認識する際に良いと報告されいます。
以上が臀部痛の原因である「仙結節靭帯痛とハムストリングス起始部の痛み」でした。
お時間のある方、ご興味のある方は下の記事にて治し方までみられてみてください。
まとめ
今回は、仙結節靭帯とハムストリングス起始部の痛みについてお話させて頂きました。
2つは連結しているためアプローチがほとんど同じであるため今回は2つを一緒にご紹介させて頂きました。
最後までありがとうございました。
引用・参考文献
A Vleemingら:Load application to the sacrotuberous ligament;influence on sacroiliac joint mechanics
荒木 秀明:非特異的腰痛の運動療法
Lasse Lempainenら:Exepert opinion:diagnosis and treatment of proximal hamstring tendinopathy
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