理学療法士のハルです。
今回は、臀部の痛みの原因の1つである「中殿筋(ちゅうでんきん)」について分かりやすく説明します。
この記事は3人の患者さんのために書きました
※記事を読む前に※
お尻の横辺り。この辺りに痛みがある方は「中殿筋による痛み」の可能性があります。
中殿筋(ちゅうでんきん)とは?
中殿筋という筋肉は名前からして中くらいの筋肉ということでしょうか?
お尻には大殿筋、中殿筋、小殿筋と呼ばれる筋肉があります。
この3つでは「中」くらいの大きさになります。
今回は中殿筋による痛みをみていきましょう。
中殿筋の場所はどこ? お尻の構造
これは、左側のお尻を後ろから見たところです。
中殿筋は大殿筋という筋肉に一部を覆われています。
後ろからでは中殿筋の一部しか見えませんが、お尻を横から見るともう少し見ることが出来ます。
中殿筋の付く場所
中殿筋は、腸骨(ちょうこつ)と呼ばれる骨盤の骨に付いています。
そこから、足の骨である大腿骨の大転子(だいてんし)と呼ばれる所につきます。
中殿筋の作用(働き)とは?
中殿筋という筋肉が働くと足を外側に開く股関節の外転(がいてん)運動を行います。
日常生活の中でこのように足を横に広げることは少ないと思います。
ですが、中殿筋にはまだ他にも大切な役割があります。
それは
歩く時に骨盤を安定させる
どういうことか図で説明させて頂きます。
この図は歩くときの一部を切り取ったものです。
今、右足で体を支えている状態です。
中殿筋はこの時に骨盤がグラつかないようにしっかり頑張っているのです。
中殿筋が働くことで人間は良い姿勢で歩けるのです。
中殿筋が痛くなる原因とは?
中殿筋に痛みが出てくる理由をいくつかあげたいと思います。
①長距離歩行で中殿筋を使いすぎて硬くなり痛みが出る。
②大殿筋が弱り始めて中殿筋を含めた股関節への負荷が強くなる。
③長時間の座位姿勢が中殿筋に凝りをもたらし痛みを生じる
以上が中殿筋に痛みが出る原因と考えられます。
中殿筋による痛みの特徴とは?
中殿筋の痛みがある方の特徴は
①長時間の座位姿勢で臀部の側方~前方に痛みが出てくる
②長時間の歩行などの疲労にお尻の側方~前方にかけて痛みが出てくる
などが挙げられると思います。
現場では長時間の座位姿勢で中殿筋が硬くなる方が多い印象です。
ですので、30分程度したら姿勢を変えるなどの工夫が必要かと思います。
また、大殿筋が弱い方も中殿筋に痛みが出る方が多いと思われます。
大殿筋が弱くなることで、股関節への負担が大きくなります。
股関節への負担が大きくなると中殿筋も硬くなりやすくなります。
中殿筋が硬くならないように日頃からストレッチやお尻周りの筋力トレーニングをする必要があるかと思います。
まとめ
今回は臀部痛の原因の1つである「中殿筋」について説明させて頂きました。
中殿筋は股関節の安定に必要な筋肉である反面、頑張りすぎて痛みが出てくる筋肉でもあります。
股関節周りに疲労を感じたら休むように心がけてみてください。
最後までありがとうございました。
引用・参考文献
佐藤 正裕:変形性股関節症は自分で治せる
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