理学療法士のハルです。
今回は、あなたの腰痛は温めるべきなのか、冷やすべきなのか?その正解についてみなさまにご紹介します。
この記事は2人の患者さんのために書きました
温める?冷やす? どっち?
腰が痛くなってしまったのですが、私の場合は温めた方がいいのでしょうか?それとも冷やした方がいいのでしょうか?
多くの患者さんが冷やすべきなのか、温めるべきなのか迷われていますね
その方によって温めるべきなのか、冷やすべきなのか違いますので説明していきますね
急性期(受傷直後)や炎症がある場合は冷やすが原則
皆さんは足の捻挫をされたことがあるでしょうか?
足の捻挫をされた場合、足に痛みや腫れが出てきたと思います。
その際の処置として温めたでしょうか?冷やしたでしょうか?
足の炎症による痛みや腫れを抑えるためには「RICE処置」と呼ばれるものが必要となります。
RICEとは「Rest:安静」「Ice:冷却」「Compression:圧迫」「Elevation:挙上」といった4つの頭文字から取った基本応急処置を指します。
このようにケガなどをした場合には冷やすことが大切になります。
痛めて間もない急性期の腰痛にも温めではなく、基本的には冷やす方で良いかと思います。また場合によっては安静も必要と事もあるかもしれません。
では急性期の腰痛とはどのようなものがあるでしょうか?
例えば打撲やぎっくり腰などは急性期であり炎症がある可能性もあります。
そのように明らかな打撲などであれば冷やすのはOKかと思います。
打撲などの急性期の腰の痛みの場合は冷やしてみましょう
腰を冷やすことに科学的根拠があるのか?
ここまで、急性期(受傷直後)の腰痛に関しては冷やした方が良いのではないかと書いてきました。
では実際、エビデンス(科学的根拠)はあるのでしょうか?
日本理学療法士協会のガイドラインでは、
「腰痛」に対する「寒冷療法」は「推奨グレードD」となっています。
この推奨グレードDとは、「無効性や害を示す科学的根拠がある」とされています。
「えー?今までと話が違うじゃん。効果ないの?しかも害があるの?」と思われる方もいらっしゃると思います。
なぜ推奨グレードDなのか理由を見ていきたいと思います。
ガイドライン上では「急性・亜急性の腰痛に対する寒冷療法の効果についてはエビデンスが不十分とする報告があり見解は一致していない」
と、されています。少し専門用語で分かりにくくなってすみません。
まとめますと、腰痛に対して冷やすことの科学的根拠が一致していないということですね。
ここからは、あくまで私個人の意見ですが…確かに私個人はあまり冷やさないというのも事実です。
明らかな打撲とかが無ければ冷やすことはあまりお勧めしません。打撲とかでも冷やして2、3日程度かと思います。
「受傷直後の数日は温めるよりは冷やしておいて間違いはないかなぁ」という感じで冷やすことを2、3日はするかなという程度です。
なので慢性腰痛の場合は冷やすことはないですし、ましてや安静にすることもないです。
なぜ急性期では温めてはいけない?
ここまで急性期では原則冷やすことを勧めてきました。では、なぜ受傷直後の急性期では冷やすことが勧められ温めるのは良くないのでしょうか?
これは腰の急性期に限った話ではありませんが、急性期で温めを行うと血管が拡張して血流量が増加するため腫れが増し、痛みが強くなってしまうためです。
ですので、急性期(受傷直後)はお風呂などの温めは厳禁です
慢性期の腰痛は温めが基本
腰痛を発症してから数週間経過した方などは基本的に温めがオススメです。
腰痛が発症してからは体がこわばったり、固まったりしてしまい筋肉や関節もカチコチになっていることがあります。
ですのでゆっくりお風呂につかったりすることで、血行が良くなり筋肉もほぐれ痛みが取れやすいです。
ちなみに科学的根拠もあり「腰痛」に対する温熱は「行うように勧められる強い科学的根拠がある」とされています。
ゆっくり温泉につかって体や心をほぐしてあげてください。
まとめ
腰痛に対して温めるべきなのか冷やすべきなのかを書きました。
受傷直後の急性期では基本的には冷やして、数週間経った慢性期には温熱が効果があることをお伝えしました。
温泉につかって体も心もリフレッシュ!
引用・参考文献
・背部痛 理学療法診療ガイドライン
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