理学療法士のハルです。
「実体験を語る」では私が実際に現場で経験させて頂いたリハビリについてお話させて頂きます。
仙腸関節の痛み
今回、取り上げさせて頂くBさんは、以前にリハビリ通院されていた方で「仙腸関節」という場所に痛みのある方でした。
「仙腸関節」という言葉を始めて聞かれた方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方は↓↓
仙腸関節とは骨盤にある関節の事をいいます。
整形外科のお医者さんの中には今でも「仙腸関節は動かない」、「仙腸関節の痛みはない」という方もいらっしゃいます。
なぜなら仙腸関節は画像では写すことはできず、仙腸関節を知らないお医者さん達から見れば、何かつかみどころのない病気に感じるのではないでしょうか?
ですが、実際に患者さんを触っている私達、理学療法士からしたら「仙腸関節の痛みはある」ということをまずはお伝えしたいと思います。
Bさんの話に戻ります。
Bさんはリハビリに通院される半年くらい前に転倒をされた方でした。
転倒されてからも痛みは半年近く続いたためリハビリを開始することになったのです。
体を前に曲げたり、後ろに反ったりすると右の仙腸関節周囲の痛みがありました。
私は「あ、これは仙腸関節の痛みだなぁ」と思いました。
痛みの原因が分かった所で、仙腸関節に対するリハビリを行いました。
するとすぐに痛みは引いてBさんも喜ばれました。
しかし、1週間後に再度リハビリを受診して頂くと・・・
「また腰が痛くなりました。」とおっしゃられます。
そのような日々が何回か繰り返されました。
私は「仙腸関節に対する治療をして痛みがとれるから、痛みの原因はあってるはずだけど、何かがおかしい。もう一度、Bさんのお話をお聞きしよう」と思いました。
問診の大切さ
私は、再度Bさんに再度、問診をしました。
転倒したこと、どのような姿勢で痛みが出るか、何をしたら再発するかなどなど・・・
そうすると1つ、Bさんは私が知らなかった情報をいいました。
「あ、そういば今回の転倒とは関係ないかもしれませんが、実は以前アキレス腱断裂をして手術をしたことがあります」
私はBさんが転倒した事しか頭になかったので、転倒したから仙腸関節がズレてしまって痛みが出ているのだろう。
だから、仙腸関節を元に戻してあげれば痛みはとれるだろうくらいしか思っていませんでした。
しかし、お話をお聞きして以前に足の手術もしていたのだと初めて気づきました。
仙腸関節の痛みが出ている側と同じ側の足でしたので、「もしかしたらここも影響しているかもしれない」と思いました。
手術をすると筋肉や筋膜が影響を受けることがあります。
筋膜はボディスーツのように全身を覆っています。
ですので、アキレス腱手術などでその周りが硬くなると足首のあたりからふくらはぎや太ももの筋膜なども引っ張ってしまうことがあります。
(筋膜について知りたい方は↓↓)
私は仙腸関節だけでなく以前にアキレス腱手術をした周囲の筋膜にも治療を開始しました。
その周りはとても硬く、Bさんも初めは痛がっていたことを覚えています。
筋膜になぜ影響したのかまでは正直分かりません。
転倒したことが原因なのか、痛みが出現したからなのか、もともと影響を受けていたのか・・・
しかし、筋膜の治療を始めてからは再発するもともなくリハビリを無事に卒業することが出来ました。
このBさんを通して「おかしいな」と思った時には再度、問診や視診、触診に帰ることが大切なのだということを学ばせて頂きました。
まとめ
問診をしっかり丁寧におこなってくれる医療者を選ぶことが大切かと思います。
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