理学療法士のハルです。前回は「自律神経を知ろう 自律神経と腰痛の関係」というテーマでしたが、今回は「自律神経の整え方 呼吸編」というテーマでお話します。
「自律神経を知ろう 自律神経と腰痛の関係」についてまだ読んでいない方は↓↓
この記事は3人の患者さんのために書きました
少しだけ自律神経のおさらい☆
自律神経とは?
自律神経は内臓や血管、呼吸の機能をコントロールする神経です。
交感神経が働くと心拍数があがり血管が収縮します。交感神経は私達が活発に活動する昼間に活性化する神経です。
副交感神経は体が休息する夜に活性化する神経です。心拍数がゆっくりなり血圧が下がり体は落ち着いています。
自律神経と呼吸
自律神経は内臓や血管、呼吸を司る神経であるということをお話しました。
では、内臓や血管は自分でコントロールすることが出来るでしょうか?
皆さんお分かりの通り答えは「ノー」ですね。
自分で意識的に「内臓さん、もう少し消化を頑張って」とか「血管さん、もう少し血管を収縮させて」などなど、そんなことは出来ないですよね。
ですが、呼吸は唯一、自律神経を意識的にコントロールできる手段となります。
呼吸だけは、自分の意思でゆっくり息をすったり吐いたり、また逆に早く息をすったり吐いたりすることが出来ますよね。
ゆっくり呼吸するとはどういうことか?
現代では、情報化社会の影響もありストレス社会のため、たいていの場合が交感神経が優位となっています。
そのような場合には浅く、早い呼吸となってしまっています。
浅く、早い呼吸になると交感神経が高まり、副交感神経が下がってしまっています。
逆にゆっくり、深い呼吸を行うことで副交感神経が高められます。
皆さんも普段あまり意識することがない呼吸だと思います。
実際、患者さんに「呼吸が浅くて早いですね」とお伝えしても「え?そうかな?」という程度で本人が自覚されていない方が大勢いらっしゃいます。
いつでもどこでも出来るゆっくり呼吸を行って自律神経を高めてみましょう。
どのような呼吸の仕方が良いのか?
ここではどのような呼吸の仕方が良いのか3つだけポイントでお話します。
①3~4秒吸ったら、倍の6~8秒を吐く(吐く時を長く吐くように意識する)
②鼻から吸って、口をすぼめて吐く
③腹式呼吸や胸式呼吸にこだわらない
小林弘幸医師は
仕事の合間でも、いつでも都合の良い時に1日3分間行うことで浅くなりがちであった吸がゆっくり深いものに変わり、自律神経のバランスが整う
と言われています。また、
呼吸に関して胸式・腹式呼吸、丹田呼吸など様々あるが、あまり難しく考えないでやることが大切。難しいことをやろうと交感神経があがってしまい呼吸の効果が損なわれてしまう可能性があることを指摘されています。
私も同じ意見で、難しく考えるよりもまずはやってみることを大切にされるべきと考えています。
そして、ゆっくり呼吸をすることに慣れてきたら少しずつ自分の中で応用をさせていけば良いかと思います。
どのような時に呼吸が浅く早くなるのか?
ここまでは、呼吸が浅く早くなりがちであるというお話をしました。
では実際、日常生活場面の中でいつそのように浅く早い呼吸となりやすいのかを3つご紹介いたします。
①怒った時
皆さん、これには「あー、そうそう」と思われる方も多いかもしれません。
イライラし怒った時には浅く、早い呼吸となってしまいます。イライラするため交感神経が優位となり、呼吸も浅く・早い呼吸となります。
イライラしたり、怒ったりしたときにはぜひゆっくり深い呼吸を行ってみていください。
②常に集中しずっと座りっぱなしの時
現代ではパソコンやスマホを長時間しています。
常に下を向いていたり、猫背のようになってしまっています。
そのような姿勢となると肋骨が開きにくくなってしまいます。肋骨は呼吸をするときに非常に重要です。
背中がまるまってしまうと肋骨の動きが悪くなり呼吸が浅くなってしまいます。
③バタバタしているとき
例えば、朝のバタバタした時も早く・浅い呼吸となってしまう原因の1つです。
バタバタしている時ほどゆっくり呼吸をすることをお勧めします。
難しい場合は1回の深呼吸でもいいので呼吸を整える事が大切になります。
まとめ
自律神経と呼吸についてお話をさせて頂きました。
浅く早い呼吸になりがちですがふとした時にゆっくりな呼吸を行ったり、深呼吸を行い自律神経を整えてみてください。
ありがとうございました。
引用・参考文献
・小林 幸弘:「これ」だけ意識すればきれいになる
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