理学療法士のハルです。今回も自律神経シリーズについてお話させて頂きます。自律神経シリーズは今回で4回目となります。
そして、今回は「自律神経の整え方 睡眠編」というテーマでお話します。
この記事は3人の患者さんのために書きました
☆自律神経について簡単なおさらいです。
自律神経とは?
自律神経は内臓や血管、呼吸の機能をコントロールする神経です。
自律神経は無意識の状態で働き、体をベストな状態に保つ神経です。
交感神経が働くと心拍数があがり血管が収縮します。交感神経は私達が活発に活動する昼間に活性化する神経です。
副交感神経は体が休息する夜に活性化する神経です。心拍数がゆっくりなり血圧が下がり体は落ち着いています。
睡眠を取るとはどういうことか?
皆さんご承知の通り睡眠は、日中の疲れをとるために横になって寝る時間です。
寝ることによって副交感神経は優位な状態となり、成長ホルモンが分泌され細胞の成長や修復を行ったり、病気をもたらすウイルスを防ぐ効果を高めたりします。
また、睡眠を取ることは体の休息だけでなく脳の休息になるとも言われています。
ですので、夜に仕事をするよりも朝起きた時の方が頭がすっきりして仕事がはかどったという経験をされたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
脳は働く時間に比例して睡眠促進物質であるプロスタグランディンやサイトカイン、神経ペプチドなどが溜まってきます。
これらが溜まってくると眠たくなり脳は疲労回復しようとします。
ちなみに、脳は体重の2%程度と言われていますが、体全体のエネルギー消費量の約18%を使用すると言われています。
脳ってすごいエネルギーを消費しますよね~
エネルギーも使用すため睡眠を取り、体だけでなく脳もしっかり休めてあげることが大切になります。
自律神経と睡眠の関わり
睡眠と自律神経には深い関わりがあります。
特に睡眠不足は自律神経のバランスを崩してしまう原因となります。
また、寝る時間をしっかりととるだけでなく寝る時間と起きる時間を決める事も大切になります。
寝る時間と起きる時間がいつもバラバラであれば自律神経が乱れる原因となります。
ちなみに私自身は普段は11時頃までには寝て、朝の4時か5時頃までには起きるようにしています。
そのような生活を送ることで体のリズムや自律神経が整ってきます。
12時までには就寝し、寝る時間・起きる時間も一定にしましょう
良質な睡眠とは?
良質な睡眠とはどのような睡眠でしょうか?
それは、目覚めた時に「すっきりした感」があるかどうかだと思います。
人によって理想の睡眠時間は違うと言われていますが一般的には7時間が理想とされています。
日本人は世界的にみても睡眠時間が短いとされています。
しかし、なぜ7時間程度が理想と言われるのでしょうか?
皆さんもお聞きしたことがあるかもしれませんが、人間の睡眠にはサイクルがあり、レム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム睡眠は体の眠りとされる一方、ノンレム睡眠は大脳を休めるための脳の眠りとされています。
ノンレム睡眠が1~2時間続いた後に睡眠は浅くなり、5~10分ほどのレム睡眠があらわれ、再びノンレム睡眠へとなります。
2つの睡眠は約90分であり一晩に4~5回現れます。
寝付いてから6時間、もしくは7時間半たったころの目覚めやすいレム睡眠に起床するのが良いとされています。
6時間~7時間半の間でどの辺りが自分にとって「すっきりした感じ」で起きることが出来るのかを見つけるとよいかと思います。
良質な睡眠をとるには?
睡眠中に副交感神経を優位にして良質な睡眠をとるには日中や就寝前の過ごし方が大切とされています。
①日中の散歩
小林弘幸医師によると
睡眠では「メラトニン」というホルモンをどれだけ作れるかが大切。このメラトニンの元になるのは昼間に「セロトニン」というホルモンをつくらなければならない。
と言われています。
このセロトニンは適度な運動と集中が必要とされています。
ですので、日中に散歩をすることでセロトニンが分泌され眠りにつきやすくなるとされています。
②夕食は入眠3時間前までに済ませる
食事を終えてから約3時間は腸が活発に動き消化と吸収が始まります。
この腸による消化と吸収の活動を妨げないためにも就寝前の3時間前には食事を済ませておくことが大切になります。
このリズムを整えることも自律神経を整えるうえで大切になります。
しかし、寝る前の3時間前に食事をとるのが難しいという方もいらっしゃると思います。
そのような方は軽めの食事や消化に良い食事をとることが大切になってきます。
③入浴は寝る1時間半前までには入る
就寝前の1時間半前までに入ることが理想とされています。
入浴によって体は温まり血行が良くなると副交感神経が高まり、リラックス効果が出ます。入浴により熟睡効果が高まります。
④24時までには寝る
先程にも挙げたように睡眠不足は自律神経を乱し、ホルモンの分泌にも悪影響を及ぼします。
そのため遅くとも24時までに寝る事が推奨されています。
⑤寝る前にスマホやパソコンを見ない
就寝前にスマホでゲームやライン、SNSチェックなどは睡眠に悪影響を及ぼします。
スマホのブルーライトが体を覚醒させる原因となります。
⑥起床時に日光を浴びる
睡眠というよりも起床後のすぐの話になります。
人間の体は体内時計が24時間ではなく25時間ともいわれています。
朝一に日光を浴びることで体内時計はリセットされてリズムが整います。
逆に夜になると眠りを誘発しやすくなるともされています。
まとめ
自律神経と睡眠について説明させて頂きました。
良質な睡眠をとり自律神経を整えて頂けたらと思います。
次回は自律神経と内臓について書かせて頂きます。
最後までありがとうございました。
引用・参考文献
・小林 弘幸:「これだけ意識すればきれいになれる」
・晋遊舎:自律神経を整える
・安保 徹、清水 教永:病気は「低体温から始まる」 健康体温36.5度の生活術
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